怪しい勧誘？
2013年01月30日
職業柄、カフェなどで打ち合わせする機会が多いのですが、先日、隣の席にいた人たちがちょっと怪しかったので、そのことについて書いてみます。
1人が仕事内容の説明をしていて（仮にＡ氏とします）、もう1人（Ｂ君）が聞いているという雰囲気なのですが、その内容が大変怪しいものでした。パソコンでスーツを勧めているようでしたが、どうも販売だけでなく、その人にこの仕事をやりませんか？という説明しているようでした。
それだけであれば、一般的な仕事説明と思うのですが、その後、iphoneの販売、生命保険の販売、などなど、いろいろな商材を取り扱うという話に展開していきました。大丈夫、iphoneは誰でも欲しがる商品だから、ノルマなんってあっという間にクリアできるよ、生命保険も、今入っている保険を月2件ほど変更させるだけでいい、などと軽くいい、これだけやれば、月200万くらい稼げる、上場企業の役員並みだよ、ぼろ儲けだよね、などと言う始末。
Ｂ君は、本当におとなしい、まじめなタイプの男の子でした。
凄いと思いますけど、実際イメージできない仕事なので。。。と消極的な態度を取り始めると、いや、大丈夫だよ、と同じところにいた仲間らしき人たちが大量に出てきます。皆若い男女で、ニコニコしています。それだけ不安なら、あの女の子の話を聞けばいい、ということでバトンタッチ。雰囲気真面目そうな、文科系女子というイメージの女の子がでてきます。
今まで身構えていたのですが、安心したのか、不安点などを話し始めます。その後は、私も候補者が来たので、詳しくは聞けませんでしたが、Ｂ君は気が付くと友達らしき人に電話していました。
要するに、ネットワークビジネスを勧められていて、いつの間にか仲間にされ、そして、友人を呼び出し、新たに勧誘しようとしているのです。普通の人なら、こんな怪しい説明をされると上手く逃げられるのでしょうが、あれだけ入れ替わり立ち代わり人が変わると、身構えようがない状況になります。彼らの仲間は、気が付くと10名くらいおり、そのカフェのいろいろなところに座っていました。ターゲットのＢ君は、オーダースーツを買わされ、そして且つ起業といううたい文句で会員にされ、更に販売目的ということで、友人に声をかけていたようでした。
所謂マルチ商法です。自分のネットワークを築くことを目的として、上に行けばいくほど、お金が自分に入る、働かなくても濡れ手に粟、というものです。誘っている側のＡ氏は、風貌からも軽い人、という雰囲気でした。しゃべり方も、少し人を見る目があれば、誰でも警戒するだろうというくらい軽かったです。ただそれはひょっとしたらわざとだったのかもしれません。後に出てきた女性は、話易そうなおっとりとした人でした。Ｂ君からすると、Ａ氏は怪しいが、この人が言うのならば、という意識になったと思います。
私は打ち合わせが終わったので、Ｂ君の行く末は知る由もないですが、多分、騙されたのでしょう。いや、案外、仲間になったかもしれません。
ネットワークビジネスは、人と人のつながり、口コミで広がっていくものです。この商売形態は、怪しいと言われますが、一方で営業の基本とも取れます。少しでも細い糸を手繰り寄せ、商売に結び付けていくことは、営業担当者なら必ずやっているはずです。そうなると、悪くないことと思えるかもしれません。
しかしながら、普通の営業と違うところは、商品を売ることを二の次とし、自分のネットワーク、仕組み作りに走るところです。純粋に取り扱い商品を販売すれば、これはまっとうな営業だと思いますが、そんなコツコツとやるのではなく、大きく稼ぐためには仕組み作りですよ、というところが批判されるところなのです。
結局、Ｂ君は追い込まれてしまったのですが、一方、彼の奥底に楽して稼ぎたいという欲望があったというのも事実でしょう。額に汗水垂らし、一生懸命働いても、所詮はこの程度しか稼げない、であれば、一気に勝負したい、と思ったのでしょう。この手の商売は、そんな気持ちを巧みに利用したもので、今後もずっと無くならないのでしょう。
このように勧誘されたＢ君は、動機も不純なので、恐らく失敗するでしょう。噂には聞いていましたが、まさに劇場型の勧誘を目の当たりにし、ちょっと興奮しております。
