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最近の新卒就職活動についての所感

2012年01月27日

先日、2012年3月卒業の大学生の内定率が発表されました。70%台前半ということで、大変厳しい数字でした。

私が就職活動をしていた90年代半ばは、まだインターネットなども普及していなく、企業へハガキを出したり、電話でセミナーの予約を取ったりしながら、励んでいたことを思い出します。丁度バブルが弾けての活動であったため、先輩に比べ、大変苦戦した記憶がありました。それから、15年強経ちますが、現在はさらに厳しいと感じさせられています。

単純に、日本での絶対的な企業と言われた会社が、ここ数年でほとんどその地位を追われ、故、採用人数も絞られたからだと思います。知っている会社=いい会社とは言えなくなってきています。そういう世の中ですが、今もなお学生はそういった企業、いわゆるCM等で知っている企業を優先的に訪問していきます。

一方、現在は就職活動も3年生の秋から始めなければいけないということも驚きです。私の時代は3年生の2月、春休みくらいから徐々に、というイメージでした。公には、4年生の7月1日が解禁日です。でもそれまでにはほとんどが決まっていて、ちょっとした青田買い、なんてメディアでは言われていました。

それが今では堂々と3年生の10月(今年度は12月)くらいから開始という、なんとも訳が分からない状況です。何のために大学へ行くのでしょう?3年生ではまだ単位が取得できていない段階です。就職活動のため、大学生活の約1年半が犠牲になるのも、おかしな話だと思います。

ではなぜそうなのか?というと、中小企業が言っているから、ということのようです。採用力がある大手企業は、すぐに人員を確保できます。中小企業は、内定を出しても、直前で逃げられるなどがあり、そうであれば、早く活動を開始してもらい、大手で決まらなかった学生を確保したい、という強い考えからだそうです。そのため、3年生の秋に解禁になるということで、多くの学生が踊らされていると感じてしまいます。

しかも、最近はインターネットの普及により、パソコンだけでなく、携帯からも手軽にセミナーに登録できるため、行く気があまりない会社の説明会でも、とりあえず登録する、ということを当たり前にしていて、同じ日にダブル・トリプルブッキングなどが日常のようです。

さて、そうやって無事内定を勝ち取れた学生は長い長いお休みを満喫できるのでしょうが、そうでない多くの学生は、長く苦しい就職活動が延々と続きます。卒業が迫っても、まだ行先が無いという学生は、藁をもすがる思いでしょう。

しかし、そのような学生に会う機会があると、やはり残っただけの理由があるように思います。スキルや人物などが表面上良くても、肝心なメンタルの部分が欠けていたり、そもそも、実際何をやりたいかという部分が曖昧であるにも関わらず、企業のネームバリューや規模などにこだわり、どんどん機会を逸している、という現象です。ひどい場合は、企業の内定を取ることだけを目的にして、取れた後、やはり辞退、ということを繰り返しているような学生です。この手の学生は、社会人になっても、自分のやりたいことはこんなことではない、と夢追い人のように転職を繰り返します。この仕事をしていると、大変可哀そうと思う瞬間です。

このように4年生でも決まらなかった学生は、就職留年生として大学へ残ったりします。留年していれば、来年度の新卒扱いになるから、ということからだそうです。何とか良い機会を探したい、という気持ちからなのですが、やはり世間の目は厳しいと言わざるを得ません。ある人事様は、書類を見ただけで、いくら優秀な学生と思われても、留年などで決まっていない学生は、どこかに問題があるはずだから会うだけ無駄、と言い切っていました。特に大手と言われる企業ではこのような考えは一般的です。性善説に立ち、学生の良い部分、こだわっているところを探し、推したいと思っても、さわらぬ神にたたりなし、という経験則がそれを妨げているようです。

あるCMで、多くの選択肢があるとかえって選べなくなる、というものがありましたが、便利に手軽に登録できることで、以前ならば、面接を通して自分のやりたいことがわかる、もしくは自分のできることはこのくらい、というような諦めなどにも気づかなくなってきたのかもしれません。これもゆとり教育の弊害?なのでしょうか。