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指示した内容を的確に守ることについて

2015年12月25日

d3082d265a370b4fd5f35d71384907f2_s.jpg人材コンサルタントの小林毅です。

上司からの指示について、受けた内容に疑問を持つ場合、その指示を無視してしまう人がいます。それは自分自身の言葉で伝えたいから、指示の内容の理解不足、そして指示内容が不明と判断し自分なりの解釈で対応したいから、と色々と思いますが、指示を出した側としては大変困る行為です。

これはビジネスの場ではよく遭遇します。

大体が上司の言葉足らずから始まっていますが、上司からすれば察しろと思って指示を出しています。しかし部下はその解釈が共有できていないので思わぬ方向へ物事が進んでしまい、問題を複雑化してしまうのです。相手の意図を汲むというのは、上司であれ部下であれ難しいのです。

察するという文化は日本独自です。

外国人は基本的にお互いを共有できないことが前提なので、聞かないと相手の意図など共有できません。だから自己主張をしますし、しない人は意見がないと解釈されてしまいます。それがそもそもスタート地点での思い違いとなのですが、そこをしっかりと把握していないと外資では生き残れないのだと感じます。

さて、関ヶ原の戦いの際、このようなエピソードがあります。

関ヶ原の戦いが始まる前、徳川家康は窮地に陥っていました。反徳川方の挙兵を誘導するため、会津の上杉討伐を企画し、敵味方を見極めていたのですが、いざ挙兵されると、思いのほか反徳川方が多かったのです。

特に西国武将の反旗は著しく、例えば、毛利・宇喜多は三成方につかないよう根回しをしていたにも関わらず、主力メンバーとして合流していました。

そこで福島正則や黒田長政などの武将を先に清州へ送り、自分は様子がわかるまで江戸から動こうとしませんでした。そのうち、先鋒隊として向かった福島正則らの武将は、家康が一向に出陣しないことに段々苛立ってきます。家康は本当に戦う気持ちがあるのか?と組織の輪が乱れてきます。

目付として同行していた譜代大名の井伊直政や本多忠勝は気が気ではありません。そんなとき家康から伝令が来るのです。

村越直吉というこの急使は、ピリピリした場の空気を一切読まず、このように言い放ちました。

「内府殿(家康)は、諸将が早く開戦し、向背の証を示されよ、そうすれば、この戦に利なくとも自ら出馬すると仰せである!」

これを聞いた譜代大名は生きた心地がしなかったようですが、福島正則らは大声を上げて笑い、仰せごもっとも!と岐阜城攻めを敢行するのでした。

この村越直吉は、実直で真っすぐな人物であったようです。家康から言い含められた言葉を一言一句間違えず、しっかりと伝令しました。これが場の空気を読むような人物であれば、すぐに家康は出陣する、と言ってしまったかもしれません。

そういう意味でも家康の人選は絶妙でした。

その後、東軍の結束は強くなり、不利と言われた関ヶ原の戦いを一枚岩で乗り切り勝利することができました。

上司からの指示には意味があります。その意味を理解することがとても大切なのです。一方上司も、自分の意図することをしっかり実行できるかどうかの確認作業を人選も含め、怠らないようすべきでしょう。