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新卒の就職活動について

2013年12月02日

DSC_0771.JPG先日、某テレビ番組で新卒の就職活動についての討論会がありました。そこで、学生支援をしている側の大人が言っていたことがとても興味深く感じました。

まず、今の学生は、情報が多すぎることが問題だと言うのです。
インターネットを活用することで、気軽に企業情報を入手できるため、以前行われていたOBOG訪問を行わなくなってしまっていることで、逆に真の情報を入手することを怠っていることを挙げていました。

ネットが普及する以前は、就職情報誌を手掛かりに、はがきや電話でセミナーに参加するというやり方しかなく、それだけでは情報が足りないので、あらゆる伝手を駆使し、企業の生の情報を得る努力をしていました。その最たるものが、OBOGからの情報だったのです。

ところが、現在は企業側やネットからの一方通行の情報発信のみをすべてと判断してしまっている、ステレオタイプの学生が多いというのです。そしてその手軽さから、一人当たり100~200、多い人で500社ほど登録することとなるため、敗北率が極端に上がっている、というのです。

学生側の言い分としては、皆が同じように行うので、それをやらないと、スタートラインすら立てないから、となります。そうなると、人気企業に多くの学生が殺到するため、倍率は自然と上がります。

以前であれば、大手人気企業は、特定の大学の学生しか相手にせず、応募すらできない状況でしたが、それはフェアでないということから、現在は登録制になっているようです。しかし現実をみると、人気企業は有名大学出身者のみが対象となります。ほぼ8割から9割で、残りの枠に、その他大学の学生が集中するのです。

その現実を知る就職支援をしている側は、応募するだけ無駄、という結論でした。だから現実を知って、そのような企業に応募し、落選し、がっかりするよりは、自分が戦えるフィールドで努力すべき、というのです。

その話を聞いていた司会者は、大人の理屈で型にはめても、学生の人生だから強要してはいけないのではないか、という基本姿勢でした。曰く、人生は理不尽なことが多く、どんなに実力があっても、また自分の強い想いがあっても、叶わないことはあるのだから、それを知る機会を奪ってはいけない、と力説していました。

同時に、企業が優秀な人材を確保したいという点は一致しており、それは確率論でいくと、有名大学に集中してしまうことも否めない、だから、受験で失敗した人は、公平に扱われないことも理解すべき、という意見でした。

有名企業の良さは、経営が安定しており、組織化されていることです。収益構造が確立していると、個々の役割も決まっており、例えミスをしたり、もっと言うと、仕事が出来なかったりしても、皆でカバーし合いますから、早急にクビになったりはしない環境です。

当然、有名企業も生き残りのための競争がありますから、実情は外から見るより遥に厳しいのですが、どうしても大学生の目線からは、入りたい会社となってしまいます。極論言えば、大手のほうが楽、と思っているのです。

特に最近は、不況の影響もあり、安定志向が強くなってきています。厳しい環境で揉まれ、自分の個としての力を伸ばしたい、という学生は少なくなってきているようです。これは、日本独自の雇用システムの悪影響も絡んでいます。

日本では、新卒でどの会社に入ったかということで、ほぼ一生が決まると言っても過言ではありません。新卒一括採用が行われている限り、それに乗り遅れた人は、一部の例外を除いて、ほぼ自分の希望する道には行けなくなります。

そのため、新卒で就職できなかった学生は、就職留年を選択することになります。大学受験でいう、浪人と同じ発想ですね。浪人してまで入りたい大学があり、留年してまで入りたい会社がある、という発想です。

セカンドチャンスをしっかり与えてくれる環境が整わない限り、無垢な状況こそがバリューとなってしまいます。しかし、就業開始年齢が遅れることでいいことは、個人的にはないと思っています。机上の上での理屈と、実務における理屈は全く別物だと思うからです。