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第二の人生を考えてみる

2011年02月10日

ピーター・ドラッガーの著で『プロフェッショナルの条件』という本があります。

内容は大変有意義で充実していましたが、なかでも特に目を引いたところが、Part 5の1章、人生をマネジメントする、から第二の人生をどうするか、という個所でした。

よく、40代半ば以降の方の転職相談を受けるときに、特に転職回数が少ない(ない)方で感じるのですが、今までのサラリーマン人生でやるべきことはやり尽くしたので、新しい環境で自分を試したい、と伺います。いろいろと相談を受けて、その熱い想いを伺うのですが、では、案件を紹介しましょうとなると、途端に、ネガティブな態度に豹変するケースに出会います。

「いや~、この規模の会社でこのポジションでは割に合わないです。」
「ちょっとキツそうな仕事内容ですね」
「年収がこれでは厳しいです」

いずれもごもっともな意見で、無理をしてまで転職をすべきではないという瞬間がそこにはあります。結局は応募はせずに、でも、いずれ良い案件が出てくるだろうということで待ち続けることになります。

一方、仕事を案内する我々も、この態度は予想の範囲であり、恐らく受けないだろうなと思うケースが多いです。それは傾向値とでもいいましょうか、何となくわかるのです。
しかも同時に、恐らく応募しても難しい(内定まではいかない)、とも思うのです。

そこで表題のことになるのですが、この転職活動を第二の人生としたとき、ドラッガー氏は、相当前から準備、助走と書いてあります、をしておかないと、難しいと言っています。例えば、60歳で引退した人が、第二の人生でボランティアをやるといっても、経験していないから難しい、できない、というのです。少なくとも、40歳くらいにはそういった活動を行っておくべきだと。

また、同時に、第二の人生においては、報酬は考えない、非営利的要素を考慮すべきとも言っています。必ずしも好きなことをすることで多くの報酬を得ることはできません。好きなことと得意なことは別なのです。得意なこと、自分のバリューが活かせる分野を捨てるとすれば、必然、報酬は度外視しなければならないということです。

それを当てはめてみると、40代以降で転職をしようと思う場合は、少なくとも30歳半ばくらいから助走を始めておくべき、すなわち、転職をしておく、もしくは、自分のバリューを上げる努力と情報収集をしておく、ことが必要になります。もしそれがない場合は、得意分野を活かせる仕事であっても、非営利的な要素が含まれるということになります。給与が下がる、所属企業の規模が小さくなる、など。そのリスクを負えない場合は、転職はすべきではない、ということになります。

転職支援をして報酬を得ているエージェントにあるまじきコメントを書いてしまいましたが、経験則から当たっていると思うから、言及してみました。

このようなことから、決して会社を辞めてから活動をし、同等ポジションに納まれるとは思わないほうがよいと考えています。早期退職制度に応募するならば、非営利、というキーワードを押さえてほしいと思います。