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いい加減な紹介会社の典型

2015年07月27日

紹介会社は、業務提携をする場合があります。

アライアンス、と呼ばれるこの業務提携は、紹介会社同士協力して案件に取り組んでいこう、そして結果が出たら、利益を折半しよう、というものです。

 

一見有効な手段と感じます。

事実、このアライアンスを上手く活用し、結果を出している紹介会社も多いようです。

 

しかしながら当社は現在までアライアンスはお断りしています。理由は、情報が管理できない可能性が高いことが一番です。特に求職者は会社に黙って活動をしている例がほとんどですから、自分が相談した以外の第三者が情報を知り得るということは望んでいないはずです。

当然個人情報保護法の範疇になるので、本人の同意なく第三者提供はされないはずなのですが、このアライアンスを考えるような会社もしくはコンサルタントは、法律を遵守する意識が低いのが通例です。

 

そのいい加減な紹介会社の例です。

先日、ある企業から業務提携を持ちかけられましたが、その内容を聞くと、耳を疑うようなモラルの低さでした。その方、企業されてから10年以上ということで、主に、起業家支援、経理面でのサポートを主軸にされているとのこと。そして今後、更に事業を拡大、安定させるために人材紹介業を考えたと言っていました。

 

免許を取得し、事業を開始しようと考えましたが、自分自身にノウハウがない。もっと言うと、人材紹介業には自分は関わりたくない。よって、人を雇ってその人に担当させたい、と考えたようです。しかも業務委託という形にし、雇った人は成果が出ないと給与がない、という関係性です。

これは会社経営としてはありうることですから、ここまでは成り立ちます。

しかし、全く管理が出来ない状況だったので、雇った方も何をしているかが分からない状況。時間は経つが、結果がなかなか出ない。そしてその方の言葉を借りると、担当者はどこかに消えた、そうです。その後も同じような形で人を雇って、ということをしたようですが、同様のことが繰り返されます。

その状況の中で、私と業務提携の話を持ちかけてきました。

現在、その会社には人材紹介業の担当者はいません。そしてクライアント企業もないし、求職者の情報もありません。それでも業務提携をしたい、というのです。

 

私にとってこの話、どこにメリットがあるのか全く分かりません。そもそもアライアンスはしない立場ですが、この方がどのくらいのことを考えているのか興味も湧いてきたので、しばらく話を聴いてみることにしました。

『これから人を雇って、その方とやり取りすることになりますか?』と聞くと、そのような予定はない、ということです。

曰く、『今まで雇ってきたけど、責任感もなくどこかへ消えてしまう奴ばかり。これ以上同じことを繰り返したくないですからね』とのこと。

 

では、例えば求職者の情報はどのように集めるのですか?と尋ねると、自分が参加している名刺交換会で集める、との回答。

この方、冗談ではなく、本気で言っています。何度もこの感じでは業務提携は難しいでしょうね、とやんわりと話をするも、いや、できるでしょう、と食い下がってきます。

このままでは理解できないと思ったので、はっきりとできない、と言う趣旨を伝えましたところ、あからさまに不機嫌な態度となりました。

この感じ、とても不快です。人材紹介業をナメるのも大概にしろ!と怒鳴りたい気持ちでした。

同時に、人材紹介業を始めようと思う人の多くが、楽して稼ぎたい、こんな気持ちなんだよな、という悲しさも湧いてきました。

 

この方、なぜ今まで人材紹介業が上手くいかなかったのかが全く理解できていません。片手間にやろうとしていて、誰かに適当に任せて、管理もしないし、金も払わない(業務委託契約ですから)。それが上手くいかないから、実績ある紹介会社と提携して、折半すればいいのでは?という安易な考え。

人材紹介業は毎年1000事業所の新規申請がありますが、それと同じくらい辞めていくという業界です。競争が激しく厳しいのは現実ですが、一方、このようないい加減な考えを持つ人が多くいるということも事実です。

免許を取って10年くらいやっている、と自慢げに話す社長もいますが、実態は、適当にやっていて、実績を挙げないけど更新だけしている、というケースも多いのです。

このような人に出会う度、ライバルってそんなにいないな、と安心すると同時に、クライアント企業や求職者が、人材紹介業不信になるのも当然だな、と悲しくなってくるのです。ひいては業界不振につながり、一緒くたにされてしまうのです。

業界のボトムアップのため、職業紹介責任者研修の講師や、実務者研修を続けていますが、業界への恩返しという意味でも、地道なこのような活動は必要なんだと更なる確信をするのでした。