猟を行う人、穀物を育てる人
2010年07月25日
こんにちは、人材コンサルタントの小林です。
民族の違いですね。
日本人は農耕民族と言われています。それに比して、欧米人は狩猟民族と言われています。ただ日本人にも猟をする人達はいるし、欧米人もしっかりと穀物を育てている人がいるので一概にまとめることはできないのですが、人生における考え方、という点で考えれば、大きく分けてもいいのかもしれません。
今、経済はよい方向へ進んでいるのでしょうか?2008年9月のリーマンショックのときは、大変なことが起こるよ、という警鐘をまわりに鳴らしていましたが、今この時になると、そんなに騒ぐほどでもなかったですね、と言いたくなる、そんな気持ちです。
雇用という基本的なところが不安になっているため、消費がついてこないという悪循環に入っています。それは当然で、明日解雇されるかもしれないと思えば、財布の紐は締まります。
一方で、その不況を感じていない人達も多いことは確かです。周りの誰もクビになっていない、給与はしっかり支払われている、という多くの人は、世間が言うほどのものは実感としてないのです。
事実好調な業界もあるわけだし、そういうところの報道もしっかりとして欲しいと思うわけです。そうすれば、世間で物の値段が下がっていることで消費マインドが上がってくると考えるのですが、そのあたりはどうでしょうか?
リーマンショック後、マーケットが死んだ、という評価をした欧米人達は、あっという間に撤退していきました。儲けがでるところへ何の未練も無く移動していくあのすばやさは、石の上にも三年の美学は全くないですね。時は金なり、が何よりの正義なのです。
一方で農耕的な考え方は、今不作になったこの土地をどう改良して来年に備えるか、という解決策を考え、簡単には離れていきません。そのあたりがスピード感の違いになってきているのでしょうか。
そして狩猟民族は、取れないものは取れない、獲物がいないのだから、とすぐに切り替え、次の狩場を探しにいきます。諦めが早く映るのですが、ただの本能の違いです。
そこを理解していないと、外資系企業では勤められないのかもしれません。
多くの人達に会っているなかで反応はそれぞれです。こういうときが来ると備えていた人はしっかりと次を見据えているようですし、準備が無かった人は大慌ての状況です。
しかし、不況もまた良し、と松下幸之助氏が言ったように、このときだからこそ見えてくるチャンスのようなものも私は感じているのです。過去の成功談を捨て、今、初心に帰って地道な活動をしているのですが、これは来るべき収穫に備えての地ならし、と願っているのです。