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信頼される人

2014年10月16日

人から信頼される人の傾向は、どう考えるべきだろうか、という問いに対し、ある回答者はどれくらいお金を借りれるか、ということだ、と答えました。曰く、自分が困ったときに友人に頼み込み、どのくらいのお金だったら貸してくれるか、その金額が自分の信頼のバロメーターだ、と言うのです。

これは確かに当たっていると思います。お金を借りるという行為は、かなり深い信頼関係が求められますので、頼める人もとても限られてきます。借りたら当然返すことも意識しなければいけません。借りた本人は返すつもりですが、大切なのは貸し手がどの程度許容できるかです。

お金を貸したら、返ってこないと思いなさい、とある年長者がアドバイスしてくれたことがあります。そのくらいの意思と覚悟があるなら、お金を貸していいでしょう、と言っていました。仏のような感じですが、そのココロは、お金は簡単に貸してはいけない、という戒めということだと思います。

実際、お金の貸し借りについては、きっちりしなければいけないのは当たり前です。ここがしっかりしていないと、信頼を失うどころか、お金にルーズな人となってしまい、究極、身の破滅にもなりかねません。とても大切なことです。

さて、借り手の態度如何によっては、例え返すことができなくても、信頼を得ることができるという例を紹介したいと思います。

パナソニック創業者の松下幸之助は、ビジネスが軌道に乗るまではとても苦労をされていました。家族経営から始め、日本を代表するグローバル企業へと成長するまでは、失敗の連続でした。せっかく商品を作っても、売上が上がらなければ、経費はかさみ、家賃も払えない状況になることもあったそうです。

あるとき、家賃納付日の1週間前に、大家さんに挨拶に行きます。大変申し訳ないけど、このままでは家賃を払えそうにない、直前では申し訳ないので、今のうちにお話させていただきます、という感じです。

それを聞いた大家さんは、あんたは誠実なええ人や、家賃位なら何ぼでも待ったる、気にせんと商売に励みなさい、と笑いながら言ったということです。

この話を聞いたとき、マックスウェーバーの著書を思い出しました。そこではある鍛冶屋の話が描写されていました。

あなたが鍛冶屋にお金を貸すとします、その鍛冶屋から夜遅くまで鉄を叩く音を聞くことが出来たら、例え期限が過ぎても、あなたは待つことができるだろう、しかし、その鍛冶屋を夜居酒屋で見かけたとすれば、期限前から催促に出向くであろう。要するに、借り手の態度が貸し手の気持ちに大きく影響を与えるという例であります。

これはビジネス活動においても感じられることだと思います。レスポンスが遅い人は、相手のことをあまり考えていないケースが多いと思います。それはコミュニケーション力とも言えますが、それが不足している人は、相手から信頼される仕事をしていないと判断され、自然と周りから人がいなくなっていくでしょう。

今まで良い転職が出来た方は、ほとんど高いコミュニケーション力を有していました。私も、ビジネスを超え、この人のためにサポートしたい、と自然と考えていました。周りから自然と協力を得ることができることは、成功する人の特長と言えるでしょう。