決められない企業
2015年07月09日
先日、知り合いの人材コンサルが某公益法人のプロジェクトがあり、とても興味があったので面接に行ってきたそうです。
条件としてはとても厳しい内容であったので、ダメ元という気持ちが強かったのですが、自分にとって新たなチャレンジが出来ると考え、応募したのでした。実際伺って話を聞くと、面白い。ただやはり厳しい。
仕事内容については、その方は人材のプロであるけれども、教育研修に関してはまだまだ経験が足りません。その点が引っかかり、自分でも駄目だろうなぁと全く手ごたえが無かったようです。
一方、自分としては、今までの経験を活かし、しっかりと問題を掘り起し、狙い通りの改革に導く自信はあったそうです。それらがアドバンテージになれば、と淡い期待もしていましたが、結果予想通りお見送り。
まあ、想定の範囲ですから納得しているようですが、それでもNGの連絡は精神的に厳しいと言っていました。
さてここで話題にしたいのが、2つです。
一つ目は、どんなにダメ元の案件でも、落ちれば精神的にキツイということです。
今回人材コンサルが面接される側になったのですが、その点を改めて思い知りました。私も今後の紹介に役立てていきたいと思っています。
そしてもう一つが、採用する側の姿勢についてです。
今回の案件をもし自分が仲介する側になったとき、まず思うのが、こりゃあ、無理だな、ということです。雇用条件が厳しい上、選考も妥協しないところに加え、採用選考に慣れていない人たちが行うからです。
採用側にあるのが、失敗したくない、という気持ちです。故、選考に慎重になりますし、誰もが納得できる人材でない限りは、採用の決断はできません。
もし失敗したら、何でこんな人を採ったのか?という答えに窮するからです。
採用して、その人がプロジェクトを成功させるかどうかが関心ではなく、失敗したときに言い訳ができるかが最大の関心事であるからです。
なぜ今回のプロジェクトを行うことになったのか?というそもそも論に帰れば、その公益法人に大きな問題があり、それを解決する必要があるからなのではないでしょうか。
地方に多くの出張所があり、都会とは違った理屈で動いている人たち、変わりたくない人たちに対して変わることを強いらなければならないのです。
これは研修で落とし込むというより、根底になる問題点を解決することが先決なのではないか、と思いました。
しかしながら、誰もが納得する方法でやったことをゴールとしているので、根にある問題を解決してほしいとは考えていないのだと思いました。そのため、彼らが理想とする人物(失敗してもいい訳が出来る)が来るまで、採用活動を続けるという判断をするのです。
このような考えを持った企業も少なからずあります。
ある人事担当は、ポジションをオープンにしてから2年間、誰も採用していないと自慢げに話していました。うちはそれほど厳選しているのだよ、と言いたいのでしょう。
しかし私の目線で言えば、もともと採用など考えていないのだろう、と思います。ただ、中途採用をやっていますよ、という形を発信したいだけだろうと。
そのような企業なのに知らずに応募する人たちはとても多いです。そして無駄に傷つき、自信を無くすというパターンです。採用する気が無いのならば、採用活動自体、止めたらどうかと思ってしまいます。
そしてこのような企業の人事担当は、どこか他人事です。本気で採用したいと思っているのだろうか?といつも疑問に思います。
採用担当なのに、採用が出来ない。これって、仕事が出来ないという判断はされないのでしょうか?意欲が無い企業に当たったな、という気持ちは、実は人事担当者とのやり取りでほぼわかったりするのです。結果が出なくても問題ない会社って、やっても評価されないのでしょうね。