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悪い記憶は自動消去される

2014年01月30日

DSC_0760.JPG日常生活においても、ビジネスにおいても、厳しい評価や理不尽なことでつらいことがよくあります。相手が得意先や利害関係がある人であれば、ここはグッと我慢となりますが、ストレスは溜まってしまいます。よって、ストレス解消法が何より大切となります。

面接においても、ストレス耐性を確認されるような圧迫面接があったり、それを前提とした改善方法を聞いてみたりと、候補者がどれだけ自分自身をコントロールできるかという視点で確認されることがあります。そういった意味でも、圧迫面接はいい予兆でもあります。

とはいっても、転職活動において結果はなかなか伴わないものです。多くのライバルがいる中で、一つの椅子を獲得するための壮絶な戦いは、大変厳しく、つらいものです。まして、働いていない状況での活動は、一つ一つの結果がボディーブローのように効いてきて、毎日がつらくなってきます。

私自身もかつて候補者だった34歳のとき、厳しい就職活動でした。営業として自信を持っていたので、欲せられる人材であるという気持ちでしたから、書類選考で落ちることは、とても耐えがたい心境でした。面接においても、結果が出ず、なぜ落ちたのかがわかりませんでした。わからないので、その怒りの矛先は、自然家族などへ向いていたと思います。

今思えば、負けるべくして負けていた戦いが多かったです。自己分析もろくにできておらず、戦略のないままの転職活動でした。そんな候補者を採用するほど、企業は困っていません。それに気づいたのは、いくつか面接を繰り返してきたことと、ある人材コンサルタントに強烈に説教されたからでした。

そのコンサルタントは年配でした。経験も豊富で、するどい指摘もいただきました。自分の弱いところを突かれるので、はっきり言えば腹も立ちました。あなたにそこまで言われる筋合いはない、そんな気持ちです。でも、社会に身を置く中で、絶対的な自分の評価というのは、時として足かせとなってしまうし、自分自身の選択肢を自ら狭めてしまうということにもなりかねません。自分の価値は周りの評価によって決まるという当たり前のことにこの時に気づいたのです。

その後現在に至るのですが、その時に感じた屈辱感やみじめな気持ちは忘れています。現在の仕事においても、時に理不尽とも思えるクレームを受けることも多く、体中の血液が沸騰するくらい怒りを覚えることもありますが、少し時間が経てば忘れていきます。これは人間の脳構造において、自然に身に着けられているらしいのです。人間が生きていくためには、つらいことは脳から消去し、良い思い出だけを残すようにする本能があるそうです。そうでないと、人間は生きていけないのです。

昨年暮れにある候補者から厳しいクレームがあり、とてもつらかった時期がありました。挑発的なメールが続き、なぜここまで言われなければいけないのかとひどく落ち込みました。ところが、1か月くらい経った現在、その人の名前が思い出せないのです。あれ?あの人の名前って何だっけなぁ、と。これも老化現象かなと思ったとき、ふと悪い記憶は自動消去される、という話を思い出したのです。

あの時は挑発的なメールに、何度反論しようと思ったかわかりません。長文で熱く反論メールを書くのですが、直ぐに送信することはせず、一度時間をおいて読み返します。これは書きすぎだな、と思い、文面を短くしていくと、20行以上あったものが短くなり、最終的に当たり障りのない内容で回答する感じでした。どうしても我慢できないときは、宛先を自分にして送信しました(苦笑)。でも、人間の記憶力は上手くできているのです。熱くなって挑発に乗ることは、逆に相手につけ入る隙を与えかねません。

ビジネスと割り切って冷静に対応すれば、つらい経験は自然に忘れるのです。短気は損気、ですね。