自分でやりたいと思わないとリスクも取れない
2015年06月02日
リスクを取らないとプロフィットが得られない。
このようなことはMBAなどの授業でも語られることですが、リスクを取ると簡単に言っても難しいものです。私は日頃から多くのビジネスパーソンと面談いたしますが、転職相談ですから、人生を変えたいと思っている人ばかりです。
人生を変えるということは、何を持ってモチベーションとするか、が問われるところなのですが、残念ながら多くは、今の環境が悪いから、仕事が嫌だから、上司が嫌だから、というネガティブな理由で転職を考えることがほとんどです。
これは以前も内科治療と外科的処置でも触れましたが、候補者の多くは、転職すればすべて解決すると思っている方ばかりです。しかしながら実態としては、転職してさらに環境を悪化させる人が多いのが現状です。
このような方は転職しても思惑と違いますから、また再度転職をして活路を見出すことを考えます。しかし何がやりたいという自分がないですから、面接官からみても魅力がない人物と映ってしまい、良い結果が更に得にくい状況となります。
若いころであれば、若さが最大のバリューですから、受け入れられるのですが、ミドルからシニア以降になると、受け入れ先は激減します。
そして就職先が無くなり、絶望するというパターンに陥り、不本意な仕事を嫌々し、働くことが嫌になるという悪循環。何とも残念な状況です。
さて、私のコンサルティングの姿勢は、『転職はキャリアアップしないと意味がない』ですが、これは私の中での価値観を押し付けるものではありません。候補者の方が10人いれば10通りのパターンがあると考えています。
私のコンサルを受けた方はお分りと思いますが、私は初回面談には時間をかけて行います。短い人でも1時間、長い人は3時間くらいお話することもあります。
初回面談で私が引き出したいのは、要するに何がやりたいのですか?という1点を確認することです。
色々な角度から質問をし、候補者の人生を共有していくなかで、やはり自分の人生を知ってほしいという想いを伝えたいと考えています。
転職をしたいがそれだけでは何も解決しない
リスクを取った方がいいのだろうけど、その一歩が踏み出せない
給与は上げたいが、それにこだわるべきなのか
これ以外に色々なパターンがありますが、答えを持っている人はとても少ないと思います。そこで重要なことは、リスクを取ってまで自分がやりたいことは何かを知る、ことだと思います。それが見えれば、多少厳しい環境でも、大きな目標がありますから、つらいことも乗り越えることができるのです。
プロスポーツ選手やオリンピック選手に対して、子供を持ったとき、子供にも同じことをやらせるかと質問される機会が多いと思います。色々な回答があると思います。父親が偉大であると、比較されるから可哀そう、その逆であった場合も、上を目指すことはかなり厳しいと思います。
ある有名な元テニスプレーヤーが言っていたことがとても印象に残っています。
『親としてはできればテニスをやってほしいと思います。ただし、私が無理やりやらせるのではなく、本人がやりたいと言う意思が大切です。これがないと、つらいことばかりなので、乗り切ることができないからです。』
ただ単に、テニスをするのではなく、プロとして活躍するという目線で話をしているのですが、ビジネスにおいても同じようなことが言えると思います。
現状でくすぶっているより、自分がやりたいと思う仕事や目標があれば、トライすべきだと思います。しかしながら、ただプロフィット得るために無謀なリスクを背負う必要もありません。儲かると思ったから始めた、給与が高いからオファーを受け入れた、だけでは、長続きしないと思います。自分がやりたいと思うことであれば、多少の厳しいことや苦労にも我慢できるはずです。これは成功した人たちの共通の考えです。