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安定を求めることが実は最大のリスク、というお話

2014年12月01日

以前、とあるTV番組で、安定を望む女子大生の特集をしていました。内容は、安定した企業へ入社することを第一の目的として、、そしてそこで出会った男性と結婚し、そこそこの生活をして過ごしたい、というものです。年収も二人合わせて400万あればいいと、彼女達が言う、『低い目標』を立てているのです。大手企業で働いている人は、収入も安定していて間違いないということも言っていました。

すると友人より、民間よりは公務員がいい、ということでしたが、公務員は競争率が高いので難しいよ、とアドバイス。それを聞いて、ではそんなにガツガツしたくないので、公務員は諦める、と返事。

番組としては、社会不安がこのようなタイプを生んでいると締めくくっていましたが、本当にそうなのかな、と感じながら観ていました。

安定志向は昔より就職活動でのキーワードとなっていました。大きな組織に入ったほうが、給与もいいだろうし、収入も安定する、そして何より会社が潰れないという安心感が担保されていました。私が就職活動していた94年頃は、バブルがはじけたとは言え、今ほど世の中が変化していない、それこそ昭和を引きずっている環境でした。日本がまだ世界でトップグループを走っていて、日本式経営が評価されていた時代です。すなわち、個ではなく、集団で強さを発揮する、いわゆる組織化されたやり方です。

日本式経営は最近はネガティブに表現されがちですが、そこで働いている人たちは日本人の鑑とも言える人達なのかもしれません。これは以前在籍していた外資系エージェントで感じていたのですが、本当に日本人は協力的で、無欲な性善説で成り立っている集団であると思います。それはそれで失ってはいけない美徳であると思いますが、一方、言い方を変えると、もたれ合いの責任を取らない風土、とも言えます。

誰かがやってくれるだろうという、長いものに巻かれろ的根性、と言えるのです。

このようなことから、冒頭に登場した女子大生の考えは良く理解できますし、否定することはできないと思ってしまいます。これは典型的な日本人発想と思うからです。

でも時代は大きく変わりました。

これは日本式経営が時代の最先端を行き、世界市場を席巻してなければ成り立ちません。以前はたくさん存在した絶対的日本企業は今はとても少なくなっています。それは現在の日本の置かれた状況と似ているということです。

しかし一方、毎年発表される学生が就職したい企業ランキングにある会社は、私たちの頃とそんなに変わらないことは大変な驚きです。なかには、時代の流れから明らかに斜陽である企業も名を連ねています。当然、入社しても給与は上がらないでしょう。

言いたいことは、ここにたどり着けば絶対安心ということはない、ということです。

常に自分の価値を客観的に計りながら、危機感を持ち続けることの必要性を知ってほしいと思います。そこそこの生活をすることを欲のない謙虚な態度とは思えません。もし自分が安定した環境を手に入れたと考え、手綱を緩めてしまったとき、その瞬間から成長が止まってしまいます。そして自分の価値を市場にさらしたとき、何とも低い評価であるかを思い知るのです。

社内スペシャリストであり続けることは、企業と運命を共にすることです。それだけではなく、自分自身を磨き続けることがとても大切であり、ひいてはその行為こそが、企業に貢献することと考えるべきでしょう。

ケネディ元大統領の演説ではないですが、会社に何をやってほしいか、ではなく、会社にどれだけ貢献できるか、ということだと思います。