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お節介だった日本の組織

2013年02月27日

DSC_0061.JPG日本の組織は程度はあるにせよ、脱落者をなるべく出さない、クオリティを均一に、という発想のもと、手厚くフォローしてきたと思います。

それはその人の成長の為であり、ひいては、属する組織の為でもあると思います。

新卒で入社した会社では、新人研修というのが行われます。企業によっては一年以上かけて、将来の幹部候補者を育てていきます。総合職という名のジェネラリストが次々に生産されていき、組織の一員として、そして歯車の一部として企業を支えてきました。

そこにあるのは、徹底した絶対的な教育であり、部下は上司、先輩の言うがままになります。時にフロア全体に響く大声で怒鳴られ、所謂見せしめの憂き目に合うこともしばしばあります。怒鳴ったほうは、対象はその人のみならず、そこのフロアで関わる人すべてを意識しています。気合を入れる、ということです。フロアの他の社員は、次は自分かも知れない、などと思い、同じく反省をします。これが日本的な指導の一例であります。

怒鳴る側は、やはり恨みを買うこともあります。それでも構わないと思っている人たちもいるようですが、そのようなタイプは、過去に同じことを上司先輩にされたので、自分もやっているということが大半であると思います。怒ってあげている、という発想です。

この行為は、教えてあげるという発想でもあります。怒ることで、本人に気づかせ、そこを改善してほしいというお節介にも似た発想ともいえます。

しかし自分自身の経験で振り返ると、怒鳴られて良かったことは一度もなかったと思います。怒鳴られようがどうしようが、自分の仕事が上手くいかなければ、見本となる人からコツを盗もうとしたし、効率的に行う努力をしてきたと思います。むしろ怒鳴られた後はモチベーションが下がり、仕事の能率が下がっていたと思います。

以前在職していた大手電器メーカーで、中国セミナーということをやっていました。10年以上前の話です。その会社は、中国での実績は日本企業ではぴか一でしたから、セミナーは盛況でした。そこでのセミナー講師が必ず言っていたことがあります。

『中国人の部下を怒るときは、絶対人前で怒ってはいけない。恥をかかされたということで、逆に訴えられる。中国人のメンツをつぶしてはいけませんので注意しましょう。』

その後、私が在職していた外資ヘッドハント会社でも、決して上司の人はみんなの前で怒鳴ったりしていませんでした。何か言いたいことがあれば、必ず別室に連れて行き、一対一で話をしていました。

言いたいことは、一見怒鳴るという行為は短期で効率的なように思えてきますが、部下の発想力を弱めてしまい、指示待ち人間になってしまう恐れがあるということです。言われたことをやっていれば怒鳴られないのですから、自然と仕事の創意工夫より、上司のご機嫌を伺う行為に走ってしまうと思うのです。

これは企業内でも同じです。特に最近は、日本の組織弱体化と言われますが、そもそも自由発想を否定している組織に、自由な発想がない、と言っているのがお門違いと思うのです。 

でもお節介を止めてしまった後の日本の組織を考えると、日本らしいいいところは残るのだろうか?と危惧する自分もいたりします。。。