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厳しい序列との闘い

2014年08月15日

組織に属する人は、必ずしも実力で評価される訳ではありません。そこには、少なからず序列というものがあり、それを有利にするためにアピールする必要が組織にはあります。以前、『課長島耕作』を読んだとき、耕作は部長にこう言われます。『島君、実力で上がれるのは課長までやで!そこから先は運も必要や!』

その運を検証してみると、直属の上司との相性に尽きると思います。組織化された組織では、究極、代替えが利くので、誰がやっても同じクオリティが得られることになります。よって、乱暴に言えば、上司の気分次第でどうとでもなってしまう、ということです。

椅子取りゲームともいえるその序列ですが、個人の努力ではどうしようもない時がどうしても存在します。ある法務部長は『30歳前半でサラリーマン人生はほぼ決まる、出世する人は大体雰囲気で分かる』と言っていました。何とも厳しいサバイバルゲームと言えます。

以前の日本企業は、そこで勝ち残れなかった人たちにもある程度のポストが与えられました。課長代理、副部長、など、タイトルはあるけども、一つの部に何人も管理職らしい人が存在していました。仕事が実際ある人はほぼ1人で、あとは基本名ばかり。でも一応意見など言い、仕事をしているフリをすれば、ある程度の給与と安定は確保することが出来ました。最近話題の、働かないおじさん、というのは、こんなイメージでしょう。

企業がどこまでそのような人たちを抱えることができるか、というところですが、ここ10年で大きく変わってきたと思います。いわゆるリストラを行い、人員調整をどの企業も行っています。それが早く行っているか、今行っているかの差はありますが、リストラ無しでは企業経営は厳しいものとなってしまいます。

40代になってリストラ対象になってしまった人は、その後の就業環境はとても厳しいものとなっています。

現在、マンチェスターユナイテッドの香川真司選手は厳しい序列の戦いを強いられています。以前所属していたドイツのドルトムントでは、序列は最上位でした。香川選手中心にチームは作られ、彼はチームの王様でした。ゴールという結果も得られ、チームもチャンピオンとなりました。その彼を名将アレックスファーガソン監督は大きく評価し、2012年にマンチェスターユナイテッドに引き抜きます。チームに迎えられる形で移籍した香川選手の序列はそれなりに高かったと思います。そしてそのシーズンは存在感を発揮することができ、チームも優勝することができました。日本人としても誇らしい存在でした。

しかし、翌年監督がデビットモイーズ氏に代わってしまったところから香川選手の序列が急激に下がってしまいました。恐らくモイーズ監督は、日本人プレーヤーに懐疑的だったものと思います。線が細く、力勝負のイングランドサッカーには頼りないと判断してしまったと思います。先入観や偏見があったと思います。そのこともあり、2013年/14年シーズンは、香川選手にとっては厳しいものでした。

現在、監督がファンハール氏に変わり、同氏は今いるメンバーの選考を行い、必要選手から不要選手への序列作業を行っています。同時に、全責任を受ける監督ですから、自分の戦術に合う新しい選手を他チームから獲得しています。厳しい競争環境を作っているのです。

連日メディアは、香川選手がいかに厳しい環境であるかということを報道しています。そこでは厳しい序列が予想され、他チームに移籍すべきではないか、というコメントも多く見受けられますが、最終決めるのは香川選手なので、彼がその厳しい競争にチャレンジしたいのであれば、同じ日本人として応援したいと思っています。

ただ前監督のモイーズ氏同様、香川選手がファンハール氏の好みに合わないとすれば、無駄な時間を過ごすことになってしまいます。そうなると残念ながら香川選手の居場所はない、となります。

序列との闘いは厳しいものですが、どうしても動かない序列であったとすれば、自分を求める他のチームに移籍したほうが良いでしょう。

同様なことがビジネスパーソンにも言えると思います。

サッカー選手もビジネスパーソンも、旬の時があり、その時が一番の売れ時、であります。自分を高く売り込むには、多くの人がその価値があると判断するときでないと、ダメということです。

リストラされた方は、売り時を逃した可能性が高いです。ある意味、自分の序列が厳しいものと感じたときは、若いうちに多くの情報収集を行い、転職という選択肢を考えることが必要であることは言うまでもないと思います。