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趣味・スポーツ 悲運の名馬 ライスシャワー

運命は残酷な結末となった

京都競馬場にあるライスシャワー碑です。

京都競馬場にあるライスシャワー碑です。

そこで宝塚記念です。

宝塚記念は2200mです。距離はステイヤーのライスシャワーにとっては短いと思われましたが、ここで結果を出すと種牡馬としての価値はうなぎのぼりです。ライスシャワー陣営にとっても願ってもない朗報だと思ったでしょう。得意な京都競馬場、神が与えた最高のプレゼント。気合が入ります。

でも運命は時に残酷な結末を私たちの前にさらします。

当時は仕事が入っており、職場のテレビでレースを観ていました。ライスシャワーはどんな感じかな~、そんな軽い気持ちで観ていたのを覚えています。

そしてその時がやってきました。

第三コーナーを周ったとき事故は起きました。芝で足が滑ったとも言われています。通常、競馬馬が故障する場合は、骨折が多く、だんだんとスピードが下がり、ああ、骨折したのか、と分かる感じです。

しかしライスシャワーの場合は、観ていても残酷でした。カメラが馬群を追って、先頭からの順位を伝えていたとき、カメラから1頭の馬が突然消えます。あ!故障か?そんな気持ちと同時に、なぜかライスシャワーだ、と直感したのでした。

レース後、カメラは現場に戻ります。そうすると、まず大の字になって動かない、的場騎手が確認されました。的場騎手は大丈夫だろうか、そう思っていたとき、その横に腰がふらふらになって必死に立とうとするライスシャワーがいました。イメージでいうと、生まれたばかりの仔馬が立とうとしているような絵です。腰骨あたりを骨折したと記憶しています。

当然ながら予後不良となり、即日処分されてしまいました。

サラブレッドは走るために生まれてきます。しかしながら多くの馬が勝つこともなく乗馬や馬肉になってしまいます。人間の欲望のために走ることを強いられるサラブレッドですが、競馬に携わる関係者はその運命をよりよいものにしようということで努力します。調教技術の発展、配合の研究、馬のケアのために温泉を造るなど。。。

一ファンとしてもこうした予後不良という処理は悲しい瞬間ですが、ずっと一緒にがんばってきた関係者はその比ではないでしょう。

ライスシャワーがもし天皇賞春を花道に引退をしていたなら、と考えたときもありますが、彼の将来を考えると宝塚記念は走らなければいけなかったレースだったのかもしれません。

関西馬関係者にとっては、とても憎らしい馬だったと思います。しかも勝利したG1レースはすべて関西馬おひざ元の京都競馬場でした。必ずしも愛されなかったライスシャワーですが、関東馬でありながら、思い出の京都競馬場に、彼の慰霊碑があります。これも粋な計らいだと思います。

私も機会があれば訪れたいな、と思っています。 

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