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LIFE 東日本大震災

浦安へ戻ってくると・・・

いたるところにこのような撤去した土砂が溢れていました。どこから出てきた土砂?ということをしっかりと認識する必要があります。撤去した分、失われた土なのですから。

いたるところにこのような撤去した土砂が溢れていました。どこから出てきた土砂?ということをしっかりと認識する必要があります。撤去した分、失われた土なのですから。

約1週間の滞在で、仕事もそろそろ動き出すということで、家族を置いて私だけ浦安へ戻ってくることに。数多くの余震にも耐え、まだ自宅アパートは崩れずに残っていました。

ドアを開け中を見ても、出て行ったその日のまま、散らかっていました(笑)。報道によると、火事場泥棒のような、震災泥棒が浦安地区にも多く発生していると聞いていたので、若干覚悟はしていましたが、一戸建てでないのでスルーされたのですかね。でもこのような状況でそのような泥棒行為に走る人、義援金詐欺・泥棒をする人は必ず地獄へ落ちると思います。気落ちしている人たちの気持ちを踏みにじる行為に他なりません。是非とも辞めてほしい行為です。

不在にしていた1週間で状況が変わっていました。下水が壊れているとのこと。今まで流していた汚物が詰まっている個所がわかり、そこから下水管がボロボロになっていることが判明したからということです。もしこれ以上流すと、逆流して二次災害になると注意をされます。

相変わらず水道はでない、下水は使えない、ガスは止まっている、というところに、計画停電が対象地区になっているということは、市民にとって四重苦であります。そして自宅が傾いている家も数多く、そのことを知っていただきたいと。

液状化は間違いなく人災です。埋め立て地である浦安は、ディズニーランドも近く、東京駅にも直接アクセスできるということで、震災前までは高級住宅地として土地も上がり続けておりました。しかし、この液状化でほぼ住宅地としての価値はゼロに近いです。
一旦液状化した土地は、普通に盛り土などをして治せるレベルではないのです。水抜きをし、完全に地盤改良をしないといけない。

しかも今回はどのレベルまで直せばよいのかも未だ不明な状況。よってすでに作ってしまった家は多分状況にもよりますが、復旧は難しいでしょう。

私は住宅メーカーで勤務していた経験があります。家を建てるときは地耐力検査を必ず行います。内陸でも土地の構造上、地耐力が弱い地区があり、そこには必ず補強工事を行わなければいけない規程があります。

しかし、この検査の結果が出るのは、契約をした後だったりするので、予期せぬ出費になってしまい、購入層の負担は甚大になっていました。補強が必要になったとき、当時(15年前)は大きく3つの方法がありました。

・杭打ち(鉄、もしくはそれに代わるもの)-固い支持層に届くまで杭を打つ
・地盤改良-家の周りのある一定層の深さの地盤を強固にするもの
・ベタ基礎-基礎全体にコンクリートを打ち、全体で支える

鉄の杭打ちが最も高く、ベタ基礎が一番安価でした。恐らく今回傾いた家の多くはベタ基礎で大丈夫と説明されたのではないでしょうか。そのからくりは、こうです。

「杭なんて打たなければいけないような家を買うと追加でたくさんお金を請求されますよ。うちならばベタ基礎で家を全体的に支えますから、そんな必要はありません。」

こんな説明をする営業マンが横行したと思います。顧客心理とすれば、コストをセーブしたい気持ちもあるし、自分に取って有利なことを言ってくれる人の甘いささやきには弱いのです。ベタ基礎は確かに全体的に家を支える効果はあります。だけど、軟弱な地盤に乗っていれば、全体的に傾くのです。

若かりし日の小林青年は、この説明をしたときに、よく否定されました。自分はデータを持って説明をしても、直前の判断が冷静にできない人たちがとても多かったことを思い出します。

人は間違えた判断をしてしまう

当時から持っている私の持論であります。そうならないためには、多くの情報を自ら取りに行くことは必要だと改めて実感しています。